2022-2023年 単発のエッセイ

2022年9月28日
これまで4年間、毎週火曜日にエッセイを投稿してきましたが、しばらく休むことにしました(^^)また再開できるように頑張ります(^^)

 

2022年11月26日

日本勝ったぜ!万歳!!
-状況変化の戦術を考える!
(サッカーワールドカップに関してのCAMRの緊急エッセイ)
 西尾です。サッカーは素人ですが、問題解決にCAMRという状況変化アプローチを勧めている人間としてドイツ戦、とても面白かったのです(^^)
 今回はドイツ戦を状況変化アプローチの視点から考えてみたいと思います。
 まずは試合の経過を振り返ってみましょう。
 前半ドイツは上手く攻めて日本のハイプレスが機能しません。ずっと攻められ続けましたね。結果として守備に消耗され、1点先取され、攻撃がほとんどできない状態でした。
守備はそれでも何とか抑えていましたが、ハイプレスからの守備と攻撃が日本の中心戦略なので、それはまったく機能していませんでした。
 前半のこの状況は、ドイツの計画通りと言えます。ボールは比較的多くドイツのミッドフィルダーの作る網の中にありました。日本は押し込まれていたので、ボールを奪っても出しどころがなくやはりドイツミッドフィルダー網にボールが引っかかってしまう状況に落ち着いた訳です。
 もちろん日本側としては後半に向けて大きな状況変化を図らないといけません。これははっきりしています。そうしないと負けることは明らかです。
 さて後半、実際、森保監督は状況変化を図ります。
 最初のアプローチは小さなものでした。ミッドフィルダーの久保一人を下げて守備の富安選手を入れるだけです。
 しかしこれは戦術の変化を伴います。4バックから3バックへ。そしてより敵陣に近いところで積極的に守備ができる人数を増やして、ハイプレスとそこからの攻撃をより効果的に行えるようにするためでしょう。
 これは最初からある程度予定されていた戦術変化かもしれません。
 その結果、後半から少しずつ日本ペースになります。
 一方ドイツの監督は前半が良かったので、状況変化は起こしたくなかったはずです。つまり戦術がうまくいっていたのでそれは変えたくなかったはずです。
 でも徐々に小さな変化が起きます。ドイツ監督はこの状況変化の要因を、ドイツのミッドフィルダーの疲労だと考えたのでしょう。後半22分にベテランのミッドフィルダー二人を交代させます。
 実はこのドイツ監督の最初の判断とアプローチが、ドイツ敗戦の一つの要因となったと考えられます。ドイツ監督は、この状況変化の要因を日本の小さな選手交代と戦術変化ではなく、ドイツ選手の疲労と考えてしまった訳です。もちろん疲労は間違いなく一つの要因でしょうが、もっと大きな状況変化のきっかけである戦術変化に対応することが遅れました。
 状況変化が起きた場合、その変化を起こしたきっかけの要因を見つけて判断する必要があります。この変化を起こすきっかけの要因は、動的システム論では「コントロール・パラメータ」と呼ばれます。
 この視点から考えると森保監督の采配は素晴らしかったのです。もし後半最初から富安だけでなく、三苫、堂安、浅野などの攻撃的な選手を1人でも投入していたら、ドイツ監督もすぐに状況変化のコントロール・パラメータは、日本の戦術変化と攻撃的な選手の投入であると判断して、戦術的な対応を図ったはずです。
 しかし変化のきっかけは1人の守備選手の交代という地味なものでした。もちろんスリーバックへの戦術変化はあるものの、ドイツ監督としてはしばらくその経過を見守るしかなかったのでしょう。
 森保監督は一見小さな変化から始めました。そしてこれによってその後のドイツ監督の戦術変化への対応が遅れてしまったのです。またその後、段階的に攻撃的選手を投入して、雪崩のような大きな変化に繋がる状況変化を起こしたのです。
 こうして日本は優勝候補ドイツに勝利しましたとさ!めでたし、めでたし・・・
 さて、この他にもこの試合には僕達リハビリのセラピストにとっても治療方略や状況変化のアプローチを考える際のヒントがいくつかありました。ワールドカップが終わったら、じっくりと考えてみたいと思います。(ワールドカップの緊急エッセイ終わり!日本チーム、素晴らしかったです!次も頑張れ!(^^;))

 

2023年2月14日

続・歳のせいと言う勿れ
 以前、「歳のせいと言う勿れ」というシリーズで、「『歳のせい』は諦めを生む呪文である」みたいなことを書きました。「歳のせい」と言われると「ああ、それじゃ仕方ないわよね」と諦めの気持ちを生んでしまいます。
 実は最近、頻尿と残尿・尿漏れを続けて経験しました。それで、思わずこの呪いの言葉を口にしそうになりました(^^;)
 しかし、よく考えてみると、退職以来おしっこを我慢することがとても減っています。行きたい時に行きたいだけ行きます。回数も増える。きっと膀胱の弾力性が減って小さくなっているのだと思います。歳のせいと言うよりは生活習慣が原因。
 またデイケアで働いていたとき、「男は立ってするからトイレが汚れるのよ」と女性スタッフから言われました。僕も「そうだな」と思ってそれ以来座ってしているのです。しかし座っているとどうも気張る感じが自然に消えてしまいます。
 それで歳のせいではなく、生活習慣で括約筋とか腹横筋などが筋力低下をしているのだと仮説を立てます。
 そこで一念発起、自分なりに筋トレを始めました。おしっこを我慢したり気張って出すようなイメージでいろんなところに力を入れては抜いてを繰り返します。また絞り出すテクニック(^^;)もいくつか工夫します。
 効果は割と早く出て、パンツを濡らすこともなくなりました。「歳のせい」という呪文によって、危うく「尿漏れ対応パンツ4枚組」を通販で買うところでした(^^;)フゥー、めでたし、めでたし!
 これに気を良くして、最近テレビを見ていて有名タレントや俳優の名前が浮かばなくなっているのも「歳のせい」ではなく、短期記憶のトレーニングが足りないのでは、と仮説を立てて早速憶える練習を始めました。
 テレビCMでよく知っている俳優が出ています。「誰だっけ?」と思うものの名前が出ません。妻に聞くと「松山ケンイチじゃないの!」と言われます。「ああ、そうだ!大河ドラマで徳川家康の知恵袋と言われる本多正信を演じている松山ケンイチ君である」と関連知識と一緒に憶えます。こうすると記憶が定着しやすいとか・・・
 翌日またそのCMがあります。妻がキッとこちらを向きます。しかし出てこない、名前が全然浮かばない。「大河ドラマで・・・」の関連知識しか浮かばない・・・・焦ります(^^;)
 妻が「松で始まる俳優!」とヒントを出します。
 「あっ、あっ、なんか出そう」と思います。「松、松、松平健!は違う・・・松、松、松原智恵子はもっと違う・・・松、松、松井秀喜!(^^;)」
 結局、ギブアップです。昔憶えた名前しか出てこない(^^;)
 つまり、「歳のせいと言う勿れ」の道はとても険しいのだ!