「運動問題解決には二つの方法あり」シリーズ


これは全6回で終わったシリーズです^^;イラストのネタがなくて、パンダのジャンジャンが登場します^^;


 

2018年2月8日
運動問題解決には二つの方法あり(その1)
リハビリは患者さんの運動問題の解決を手助けします。
運動問題解決には二つの手法があります。「原因解決」か「状況変化」です。
学校では「原因解決」の手法を教わりますが、「状況変化」の手法を教わることはありません。(続く)
「PT・OTが現場ですぐにつかえる リハビリのコミュ力」(西尾幸敏著 金原出版)



 

2018年2月15日
運動問題解決には二つの方法あり(その2)
 学校で習う運動問題解決方法は「原因解決アプローチ」と呼びましょう。問題の原因を探し、その原因を解決しようとします。転倒などの運動問題があると、筋力や柔軟性、変形、感覚などの構成要素に分けて調べ、問題の原因となる要素を探っていくのです。(続く)「PT・OTが現場ですぐにつかえる リハビリのコミュ力」(西尾幸敏著 金原出版)



 

2018年2月22日
運動問題解決には二つの方法あり(その3)
 原因解決アプローチでは、原因となる要素を見つけて解決しようとします。もちろん解決できる原因なら良いのですが、しばしば解決不能な原因に出会います。たとえば脳卒中後の麻痺は脳細胞が壊れることが原因ですが、今のところリハビリで脳の失われた機能を再生し、麻痺を治すことはできません。(続く)
「PT・OTが現場ですぐにつかえる リハビリのコミュ力」(西尾幸敏著 金原出版)


 

2018年3月1日
運動余力とは何か?(その4)
 運動余力というアイデアはCAMRではとても大事です。運動余力なら工夫次第で誰でも、その時、その場で一瞬に変化させることができます。   
 たとえば廃用で立つことはなんとか可能だけど、歩こうとすると転けそうで歩けない方がいます。当然身体能力を改善すれば良いのですけどそれには時間がかかります。そこでその場にあるパイプ椅子のような環境リソースを利用し、その背もたれを持って押すことで「安全に移動する」という課題をその場で達成できます。
 運動余力は運動リソースと運動スキルの相互作用によって決まってくるので、工夫次第で色々な可能性があるのです。
※「PT・OTが現場ですぐにつかえる リハビリのコミュ力」(西尾幸敏著 金原出版)にも説明してあります。アマゾンで。


 

 

2018/3/8

運動余力とは何か?(その5)
 学校で習う問題解決では身体リソース、つまり身体能力、筋力や柔軟性ばかりに目が行ってしまいます。
 でも運動余力の視点だと環境リソースも身体リソースと最初から同様に重要です。環境リソースは身体リソースと同様に最初から焦点が当たっていて、その利用方法を身体リソースとの関係の中で考えていくことができます。
 更に運動リソースの使い方、つまり運動スキルの視点から運動余力を改善することもできます。
つまり、運動問題解決を図る上で身体リソース、環境リソース、運動スキルの3つの視点からアプローチできます。つまり選択肢が増えることになるのです。
※「PT・OTが現場ですぐにつかえる リハビリのコミュ力」(西尾幸敏著 金原出版)にも説明してあります。アマゾンで。

 

2018/2/1

運動余力とは何か?(その6)
 運動余力の視点はベテランの臨床家が無意識に身につけている解決手法の視点に近いかも知れません。多くの臨床家は経験やセンスによって、それらの視点を身につけているものです。ただ言語化されたり知識が体系化されたりすることがないため、人に伝えたりすることが難しいのです。結局個人的財産として埋もれてしまっています。とても惜しいことです。
 CAMRではシステム論の視点から、「運動余力」というアイデアを言語化し知識の体系化を図っています。経験の少ない新人さんでもすぐに問題解決の幅を広げることができるようになります。(終わり)
※「PT・OTが現場ですぐにつかえる リハビリのコミュ力」(西尾幸敏著 金原出版)にも説明してあります。アマゾンで。